「SW」を興収から考察する Part5 ( Written By TAKA )
☆「エピソード6/ジェダイの復讐」
※ここでは敢えて「帰還」表記ではなく、「復讐」表記でいきます。いくら内容に「帰還」が相応しかろうと、劇場鑑賞時の「復讐」に馴染みがあるんです。
さて、旧三部作においては最終作となる「ジェダイの復讐」です。実際SWファンでもない限り、SWは全部で9作(当時はそう 言われていましたね)からなるシリーズものだとは知らない人が多かったでしょう。実際日本でも「パート3⇒完結編」という触れこみで宣伝されてましたし、「これでSWが見れるのも最後」と劇場に足を運んだ人も多かったことでしょう。もしかしたら3作目でとりあえずケリがつく、ということすら意識してなかった人も少なくなかったかもしれませんね。ということで映画ファンにとってはもはや3年に一度の慣例行事、SWファンにとっては特別意識を持って公開が待たれた1作だったと思います。 「ジェダイの復讐」は1983年5月25日、1002館で北米一斉公開されました。そうです、3作目にしてやっと封切り当初からの拡大公開でスタートしました。これはやはりとりあえず最終作、という特別な思いが20世紀FOX,そしてルーカスにあったが故だと個人的には思います。第1週末の興収は約2300万ドル、この数字は「帝国の逆襲」の第1週末の約340%の売り上げです。館数が違うからと言えばそれまでですが、それを抜きにして考えても素晴らしいダッシュです。2300万ドルという数字は現在でも十分1位の可能性がある数字です。前2作は公開館数を増やす前に他作品に首位の座を明け渡しましたが、「ジェダイの復讐」は最初から拡大公開であったために、一気に突っ走りました!と言いたいところですが…3週連続1位の後の4週目に「スーパーマンⅢ/電子の要塞」に首位を奪われてしまいます…。個人的に「スーパーマンⅢ」はシリーズ4作中で一番の駄作と思えるだけに…クソッ悔しい…。気を取り直して続けましょう。「ジェダイの復讐」は1週間であっさり「スーパーマン」から首位の座を奪還します。しかしそれも2週間しか続かず、ジョン・トラボルタ主演の「ステイン・アライブ」にひっくり返されてしまいます。この時点での興収は約1億8000万ドルに達していました。しかしこの後「ジェダイの復讐」が首位に返り咲くことはなく、結局連続1位は3週間のみ、という何とも寂しい結果になってしまいました。しかしトップ10には16週間入っていましたし、最多の時は1600館以上で上映されていました。前2作より興行態勢としてはずっと優遇された「ジェダイの復讐」は年末までロングランを続けました。年末の時点での興収は約2億5000万ドルに達しています。おお!「帝国の逆襲」を抜いています!
それでは1983年度のトップ10ヒットを見てみましょう。 順位/作品名/興行収入(概算) 1 スター・ウォーズ/ジェダイの復讐 2億5000万ドル 2 愛と追憶の日々 1億800万ドル 3 フラッシュダンス 9200万ドル 4 大逆転 9000万ドル 5 ウォー・ゲーム 8000万ドル 6 007/オクトパシー 6800万ドル 7 ダーティ・ハリー4 6700万ドル 8 ステイン・アライブ 6500万ドル 9 ミスター・マム 6470万ドル 10 卒業白書 6350万ドル ※全ての作品が1983年度のみの興収、年をまたいでの興収は含みません。 ※当時TAKAはまだ中学生でした。「ジェダイ」は初めて劇場に複数回通った映画であり、それ以外でもこのトップ10には劇場に行った映画、今でも大好きな映画が名を連ねています。
祝!3部作連続年間1位です!!今回も断トツの強さを見せつけました。しかしあれだけのスタートダッシュから言えば少し物足りないかもしれません。いくら最終作とはいえ、「帝国の逆襲」のアダルトな雰囲気から一気にお子様ランチな内容(何せイウォークですからね)になってしまったのに観客がついていけなかったのでしょうか…。1983年度興収は結局「帝国の逆襲」の120%増しでした。この計算からいけば「エピソード3」は3億8000万ドル以上はいくはず、まあ予断は禁物ですが。(ちなみにこの記事を最初に書いたのは約2年前です、予測が当たっているのには自分でもビックリ!)
「ジェダイの復讐」のリバイバル・特別篇公開も含めた総興収は3億900万ドルです、これは歴代19位(2005年12月現在)の数字に当たります。数年前まではこの旧3部作が全て歴代10位以内に入っていたのですが、最近超メガヒットが多いものですからジリジリと順位を下げてきているのが悲しいところです。
「回収率」を見てみましょう。「ジェダイの復讐」の制作費は3250万ドル、「帝国の逆襲」の1.8倍です。これまた宣伝費が不明ですので、制作費のみで考えると約7.8倍の興収を上げました。上位作品の制作費が軒並み不明なので、詳しい比較検証が出来ません。唯一10位のトム・クルーズ主演「卒業白書」が約10倍ということが分かっています。負けました…。他作品もそんなに制作費がかかってなさそうな作品が多いので、もしかしたら他にも負けてるかもしれません(涙)。制作費の高騰化のせいもありますが、作るたびに回収率が下がってきているのが何とも…。まあ興収以外(DVD・ビデオ・公開時のタイアップ商品・キャラクターグッズetc.)にも目を向けたら、歴史上最も稼いだシリーズ映画であることは間違いないとは思うのですが。
年が明けまして2005年度北米興収トップ10が確定しましたら、「エピソード3/シスの復讐」について触れたいと思います。
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