ドラゴン特攻隊 その1 ( Written By TAKA )
なんか面白そうだよね
ジャッキー出演作にはファンから鬼っ子的な扱いをされる作品が何本かあります。まずはいわゆるバッタモン映画の「必殺鉄指拳」や「醒拳」。まあこれらはソックリさんを使ってでっち上げた映画なんで、受けが悪いのも頷けます。けどしっかり出演してるにも関わらず、「こいつらはちょっと…」的な扱いをされるのが、今日レビューする「ドラゴン特攻隊」、またいずれ触れる「炎の大捜査線」。実はこの2本にはある共通項が存在するのですが、それは後ほど触れましょう。
監督は台湾娯楽映画の巨匠(らしい)チュー・イェンピン。「炎の大捜査線」もこやつの手によるもの。近年作では「カンフーダンク」とかもありますな。主演は我らがジャッキー、と言いたいところですが兄貴は出番の多いゲスト出演的な扱い。本作の主演って誰なんだろ?タイトルの「特攻隊」の面々が皆主役にあたるのかな。どうも台湾とかでは有名な俳優がズラリと出てるらしいですが、よく知りませぬ。その中にはあのブリジット・リンなんかもいたりします。他に製作も兼ねてるジミー・ウォングが出てます。
本作の粗筋を語るのは非常~に難しい、ってかストーリーがあんのかコレ?一応言っておけば…第二次世界大戦下が舞台、軍資金と共に消息を絶った連合軍将校達を捜索するためにジミーさんが個性的(過ぎる)メンバーを集め、特攻隊を結成します。その捜索の過程でジャッキー扮する賞金稼ぎのシャオリーが絡んできます。
・本作は1982年作の香港台湾合作。実はその頃既に「プロジェクトA」の製作が始まってたんですが、抜け出して出演した(「キャノンボール2」なんかもそのクチ)本作の方がずっと早く完成しちゃいました。何故自らの監督・主演作を抜け出してまで本作に出演しなきゃいけなかったかというと…そう、ジミーさんの存在です。以前にも書きましたがジャッキーはジミーさんに借りがあるのです。しかもジミーさんは黒社会の顔役、同じくジミーさん製作「炎の大捜査線」も本作も半ばヤクザに脅されるような形で出演したとか。それでもジャッキーはまだ「義理は果たさなければ」的な思いもあったようですが、ブリジット・リンなんかは「本当に出演したくなかった。撮影中も周りにヤクザのような人がいて怖かった」なんて語っています。ここら辺は香港芸能界の裏が垣間見えて怖いですねー。 ・上で言ったように本作のお話を語ろうとするのはあまりにも無理があり過ぎ。って言うか意味をなさない。何て言うんですかね、例えばドリフターズのコントを前後の脈絡もなく繋げた、って言えば本作の感じがつかめますかね。ミュージカルがあれば、お化け屋敷もあれば、アマゾネスもあれば、集団戦闘もあるという。うーーん、自分で書いてても「これって1本の映画なのか!?」って気がしてきた。これ真面目な人が見たら間違いなく途中で怒り出すようなシロモノですよ。 ・本作の日本公開時のコピーは「根っから陽気 とことん過激 ジャッキー・チェンがぶっちぎる」という勢いを感じさせるもの。それなりに合ってる気もします。コピーはもう一つあって、それが「頭が明太子になる」というサッパリ意味不明ではあるけど、本作にピッタリという気がしなくもない素晴らしさ。また更に「彼の瞳が澄んでるのはきっとあなたのせいだ…」という文句も登場。当時アイドル的人気を誇ったジャッキーに絡めてるんだとは思いますが、それを「ドラゴン特攻隊」で持ち出すのは無理がありすぎて爆笑もん。
う~ん、今回も長いなあ。2回に分けましょう。
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